2011/04/21 Thu

蘭、椅子から落ちて…

ようやく投薬の効果が出てきて一安心していたら、立て続けに私の心臓のほうが止まりそうな事態が続けて起きた。

ひとつは病院へ向かう車の中で蘭が抱っこしてくれと言うので抱いていたら日が当たって暑そうになりハァハァしたので後ろの席に下ろしたときに起きた。
ノンも一緒に載っていたのだが、そちらに向かって歩き出したとたんばたんと倒れてけいれんの様なものが起きた。

助手席に乗っていた私だけど、ひとまたぎで後ろの席に移って蘭を抱きかかえて揺り動かした。死んじゃうのかと思って結構激しくゆすったように思う。蘭は眼を見開いて大きく息をした。。。そのまま逝ってしまうのかと思って大声で名前を呼ぶと目がキョロリと動いた。

蘭、大丈夫?大丈夫?苦しくない?

聞いたところで返事はないが、蘭は申し訳なさそうに私の顔をなめた。病院についてこの状況を話したが、心音も正常で蘭自身の様子もおかしなところはないのでお家に帰ってこれたわけだ。

そしてそのあと不幸はまだ続いていく。

父が入院し、母の話によれば明日病院の先生がご家族に来ていただきたいと言ってきたのだと言う。弟は仕事で一緒に行けないと言うし、明日なら蘭も大丈夫みたいだしファンタの子もまだすぐには生まれないだろうから付き合うよと言って実家に行きその足で病院へ行った。
実のところ、病院からの呼び出しの内容をもしかしたらかなりヤバいのかもと勝手に悪いほうに解釈してしまいブルーな気持ちだった。
腸から出血してるとかいっていたし大腸癌とかだったら切るのだろうしあの体力で耐えられるのかなとか父の穏やかな笑い顔が浮かんでは消えていく。

が・・・実際は退院してもいいよ〜、ただしこういう薬を使っていることちゃんと伝えたよ〜みたいなものだった。悪いけど、「なんだよ〜」って思った。そんなんなら無理していかなくたって大丈夫だったじゃん…て言うのは親不孝者かな?問題なしだし来週退院だし〜とちょっと浮かれて家に戻ったのは既に7時半を過ぎていた。

蘭と老犬組の様子を見て問題なしと思ったので急いで夕飯の支度をしようとしたら下の息子がご帰還。続いてパパも帰ってきた。いつもより何もかもが遅れている。早くしなくちゃって焦った。

早く支度をと台所に立つと蘭とノンが椅子に乗せてと飛んでくる。毎日やる当たり前の作業。いつものようにノンを乗せて蘭を乗せて・・・。でも・・・いつものようにじゃなかったことが一つ。

毎回、蘭とノンが落ちないように椅子と椅子をくっつけておくのに、焦って夕飯の支度を急いでいたからそれを忘れた。
元気になっていた蘭は私の背中越しに椅子と椅子の隙間から滑って落ちた。私があっと思ってふり向いたときには、それもテーブルに前足をかけようとして頭から床に落ちてぎゃ!!と悲鳴を上げたのだ。

まるでスローモーションのように蘭が落ちる姿が見えた。頭から…。
急いで抱えあげて頭をさすると蘭が歯を食いしばって体を硬直させた。前足を縮めかすかにふるえている。言葉に反応しない。抱いたまま歩くと余計に硬直がひどくなるので和室に入り腰をおろして体をさすり続けた。

「蘭、蘭、聞こえる?痛かったね。もう大丈夫だからね、もう大丈夫だよ。。。」赤ちゃんをあやすように穏やかに静かな声で蘭の耳元で何度も囁き続け背中をさすり続けた。10分もそのままだったろうか…?
裕貴が、パパが、直哉が次々と「蘭大丈夫か?」と顔を覗き込むけど反応がない。夕飯の支度を頼み私は蘭をなだめ続けた。


以前、一度頭を打ったことがあったのを思い出し、病院へ?とはやる気持ちをこらえた。もうしばらく安静のほうがいい筈。今動かしたら余計まずいはず。。。そんな経験だけを頼りにじっと蘭を抱いていた。

しばらくすると裕貴の姿を目で追うように動いたので目が見えてるか見てと頼む。裕貴が指を左右に動かすとそれを目で追っているのでそれをきっかけにまた呼びかけてみると、ようやく、「お母さん?」という顔をして私の顔をなめ始めた。

硬直していた体はいつの間にか普段の蘭の柔らかい体に戻っていた。急に体の力が抜けていくのが判る。レインが逝ってしまったばかりで蘭が体調を崩し、その上、こんな不注意で蘭に逝かれてしまったら私はもう立ち直れないよ。。。30分ほど様子を見ているとおかしな様子はなくなった。

夕飯時息子に抱かれたまま肉をもらいトマトを食べた。さすがに大量には食べさせなかったけれど薬も飲めたしその後数時間たったが普段通り動いている。
また眠れない夜になってしまうけれど、大きなダメージがありませんようにと願うのみ。もし明日になるまでに急変するようなら病院へ飛び込むしかない。
今はいつものようにパパの横で眠っている蘭。どうか大事になりませんように。。。

蘭は1メーターくらいの高さから平気で飛び降りるような骨とか関節とかが丈夫なポメラニアンだ。でも年を取った…。蘭が落ちた椅子は勝手に飛び乗って勝手に飛び降りられる高さで、よく考えてみれば落ちると危ないと思ってたのはいつもノンのほうだった。でもノンは足が悪いから椅子に載せられるとその場を動かない。

「想定外」という言葉がはやっているけれど、年を取った蘭なのだから想定しなければならなかったことだ。いくら丈夫な犬だって、予想外の事態(滑った)が起きれば自分の身が守れない状況になることがある。年を取れば若いころのように俊敏じゃなくなるのだ。そんなことにも気がつかなくて痛い思いをさせてしまった。老犬たちと暮らしているのだから、私はもっと気をつけてあげなくちゃいけない。

ごめんね、蘭。痛くしてごめんね。。。
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2011/04/18 Mon

蘭と心不全その2

蘭の調子は一進一退。お、今日は食べれるかなという淡い期待を直ぐに打ち砕く。腸の調子もいまいちのままでこのせいで白血球数が高かったのかなとも思ったり。投薬は、パセトシン(抗生剤)と吐き気止めと胃の粘膜保護剤。そして心臓の薬。診察を受けた前の晩大量に吐いた。おなか一つ壊した事のない蘭が吐くなんって本当に珍しいことだし、下痢だってほとんどしたことがない。そして、食欲がないなって今までになかったことだった。

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投薬し始めて8日たった。今日の夜は腎臓用の缶詰を4分の1くらい食べた。久しぶりの量だった。その後オーブントースターで焼いたサツマイモを5センチくらい(直径2センチ)も食べ、最後にナナという甘いプチトマトを2個食べた。急に食べすぎたのか他の子がご飯の時には自分は関係ありませんって顔をしてこたつの布団の隅で寝たふりを決め込んでいる。「これ食べてみる?あれ食べてみる?」としつこくされるのはごめんだわとでもいっているように上目遣いで自分に近づいてこないかどうか様子を見ているみたいだった。
あれだけ食べたんだからもういいよってこっちは思っているのにね。。。

ふと気がつけば毛の抜け変わりもおかしかった気がするし、抜け変わった後急に白髪が増えた。年だからと思っていたけど、どこかがおかしくなくちゃこう急な変化は起きない。それがまさか心臓の機能低下だとは思いもよらなかったけれど。。。

思い返せばエリーもまた同じような変化があった。顔に白髪が増えたなって思ったあたりで急に具合が悪くなった。エリーはセーブルで茶色いし、蘭もオレンジなので茶色だから判りやすくてよかったかなとも思う。ノンちゃんはクリームなので白髪がどこなのか判らないからちょっと心配でもある。

体のどこかに無理がかかっていると白髪が増えるのかなぁとか思いつつ、サムの白髪の多さも気になり始めている。右を見ても左を見ても犬の平均的な寿命という年齢を超えた子たちばかりの老犬組。思いも掛けずに若いほうのレインが先に旅立ってしまった分、妙に気弱になってやたらに大騒ぎしないようにとは思うけれど、病気を見落として助かるものも助からないのはもっと悔しい。自然にゆっくりと時が流れながらそれとともに体も朽ち果てていくような穏やかな老い方をさせたいと願う。

見た目にはいつまでも子犬のような蘭も、やっぱり年老いてきていて心臓の機能が低下しているという現実を受け止めるしかない。こんなにかわいらしい見た目なのになと思うけど。。。つい気弱になってしまうのかもしれないけれど、死なれたらどうしようと不安になってしまう。蘭やノンはシェルティーとはまた違った存在なのかなぁと考えるようになった。。。

ノンが怪我をした時のあわてようと混乱ぶりは今も我ながらなんとみっともないと思うほどだったし、蘭の心臓が弱っていると聞かされて大きく動揺したし、レインに助けられた泥沼だったペットロスも愛ちゃんの死によって起きたものだった。

シェルティーは私にとって大切な子供のような存在だけど、ポメラニアンは孫に当たるんだろうか?・・・そうじゃないなぁ。シェルティー達は3歳児。ポメラニアンは1歳児の感覚なのかもしれないなって思う。ちょうど2か月のシェルティーの子犬の感覚に近いのかもしれない。私にとって永遠の子犬がポメラニアンの蘭とノンなんだろう。。。早くして亡くなってしまった愛ちゃんの分も蘭とノンにはいっぱい長生きしてもらいたい。だから頑張れ、蘭ちゃん!
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2011/04/18 Mon

Category: 虹の橋へ

1週間たって。。。

レインが旅立って1週間経ちました。まだ病院へ迎えに行けばそこにいるような気さえしています。。。

レインのためにたくさんのお花とお悔やみをありがとうございました。お花の匂いを嗅ぐのが好きだった子なのできっと天国で良い香りに包まれて喜んでいると思います。

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レインの写真をいくつかアルバムにしました。もしよかったら見てやってください。

レインのアルバム
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2011/04/17 Sun

Category: 虹の橋へ

シーマも天使に。。。

今日、シーマのオーナーから電話が来た。15日、シーマが天使になったと…。思わずシーマも?と聞き返すと、向こうも、え?と聞き返す。うちもレインが11日に亡くなったんだと答えると沈黙が続く。シーマはマリンの初めて産んだ子で13歳と4カ月だった。レインはその次の子で12歳と7カ月だった。二人とも駆け足のように逝ってしまった。。。

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どちらが話しだしたか覚えていないが、どちらともなく頑張ったんだよねという言葉が出た。シーマが具合が悪くなったのは3か月前だそうだ。下痢が続き、病院へ連れて行ったが検査入院を拒んだと言う。通院治療を第一選択としてたびたび点滴にも通ったそうだ。

亡くなる日も、お出かけする家族を玄関まで見送って、ふらついているので抱きよせたところ呼吸がゆっくりゆっくりとなってそのままこと切れたと言う。
幸せだったねと、思わずレインの最期とダブらせて泣き出してしまった。

犬は飼い主に抱かれて最期を迎えられることほどの幸せはないと思っている。いろんな考え方があるだろうけれど、私は10頭の犬たちを見送ってきて気がついた大切なことだ。病気と闘うための治療や入院も、時には犬たちには必要のない事の場合もあると、飼い主とともにいる事のほうが命が短くなろうとも犬たちはきっと幸せなのだと思うようになっている。

だから…シーマが飼主に抱かれて最期を迎えたことをとてもうれしかったし、シーマも何の不安もなく命の火を消したのだと思う。
13日にミッキーが飼主に抱かれたまま逝き、シーマもまた飼い主に抱かれて最期を迎えた。レインの最期に比べれば彼らはずっと幸せな最期だった。レインと私はほんの少しのミスを犯し、最期の瞬間をともにいられなかったけれど、共に生きた時間はミッキーともシーマとも同じように私の人生に大きな意義のある時間だった。

そして彼らはみんな精一杯生き、精一杯愛され、精一杯飼い主を愛した素晴らしい犬だった。犬は犬として生まれてくるけれど、ひとつの家庭に迎え入れられた日から大切な家族の一員として共に時間を過ごしていく。その過ごした時間から大きな愛と大きな感動と大きな感謝をもたらし、また天に帰って行くのだろう。そういう犬たちとまた同じ時を過ごしたいと思う人がいることを願う。新しい命もまた、失ったあの子と同じように素晴らしい時をはぐくんでくれ、新しい人生を与えてくれるだろう。

みんなありがとうね。君たちと暮らせた時間は素晴らしい時間だったよ。また必ず会おうね。バイバイ、シーマ。今頃はまたジャスの尻の下に敷かれて嬉しそうにしてるだろうね。みんな虹の橋のふもとにいるでしょう?ゆっくりお休みね。。。
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2011/04/17 Sun

蘭と心不全

蘭の調子が悪い。それに気がついたのはレインが退院して少したった4月の初めのことだ。最初はレインがあまり食べなくなったのであれやこれやと用意したものを余ったからと蘭に食べさせていたせいで、普通のご飯を食べなくなったのかなと思っていた。

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おいしいものばっかり食べていれば味気のないフードは嫌になる。多少のわがままだろうと思ってみていたがその食欲のなさは日を追うごとにひどくなっていった。

レインを病院に連れて行った11日、蘭も同行させて診察を受けた。心音がおかしいと言われレントゲンを撮る。血液検査もしてもらった。多少白血球が高い以外内臓的な問題はなさそう。レントゲンでも心臓の周りに水が溜まっている様子もないので投薬で様子を見ることになった。日曜日再度診察。心音がだいぶ良くなっているがいつものように食欲が旺盛とまではいかない旨を伝える。

しばらく同量の投薬で様子を見ることになった。


相変わらず黒豆とかお芋とかはそこそこ食べるがフードは食べたくないらしい。10数粒ばかりしか食べない。でも、抱っこしてとか椅子の上にあげてとかの要求をするように戻ってきたので少しだけホッとしている。いつもは小うるさいと思う行動が元気のバロメーターであることを気づかされるのは具合が悪くなった時だ。レインがいなくなった今、同じ年生まれの蘭たちにはもっと長生きしてもらいたいので早く良くなって欲しいと思う。
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2011/04/17 Sun

Category: 虹の橋へ

バイバイ、ミッキー。

レインが天国に旅立って数日後、長く患っていた友人の愛犬ミッキーが天使になった。ミッキーは癌だった。手術では取り除くことが不可能な場所にできた不幸な一例で、日を追うごとに状態が悪化し、この数カ月の間はたまった腹水との戦いが続いた。

レインと同じようにステロイドの治療をはじめ、肝臓にダメージも起きた。今年に入ってからはステロイド自体も中止になった。他にできることはないかとトランスファーファクターを使い始めると腹水の溜まり方に変化が起きた。しばらくの間は状態を保持した。もうダメかと思うような事態になったのも一度や二度じゃない。レインが倒れた日に馬用のファクターを追加した。腹水がたまらなくなり目を見張るように好転し、良かったねぇ〜と喜びあい、レインもなんとか助かったよと話したのは4月の第1週だった。まさか次の週に私たちは同じ悲しみを共有することになろうとは想像もできなかった。

レインはマリンの娘であり、ミッキーはマックスの息子だ。友人と私はほぼ同時に初めてのパーフェクトドッグの子供たちを4月の同じ週に失った。

思い返せば長い長い時間が過ぎた。ボーダーコリーも好きだけど私はシェルティーに魅せられた。シェルティーの美しさや聡明さや何もかもが好きだ。シェルティーとの暮らしによって人生が変わった人間の一人だ。友人はその犬種がボーダーコリーだった。同じような感性の人間同士は長い長い付き合いになる。犬たちの世代が変わっても、自分たちの感性が変わらない限りそれは続いていくんだろう。

愛して愛して、愛し抜いたその時間は何物にも代えがたい。犬のために多くの事を割いて共に歩いてきている。その中には次の世代をはぐくんでいくこともあるし、病気と闘い最後にはそれに敗れ、大きな無力感にさいなまれていく。

でも・・・次の世代をはぐくんだ結果はとても大きい。

自分たちのように犬を愛し、愛し向く姿勢を持つ人を育てられたことが、亡くなった愛犬にたむけられる多くの花と短く重たい言葉の数々で判るから。。。

いなくなってしまった犬たちは、ほとんどの場合家族以外からは忘れられていく。それは悲しいけれど時の流れとともにそうなって行く。でも、私たちは、レインがいたからあなたのそばのその犬がいるんですよと覚えていてほしいと思う。マリンがいたからレインが生まれ、レインがいたからファンタが生まれた。マックスがいたからミッキーも生まれてきた。

繋がっていく血もあれば途絶えていく血もある。素晴らしいものを持った犬の血はできうるなら消してほしくないと思う。でも、今の時代は「no more breed」という言葉が闊歩するくらい繁殖に対して見方が厳しい。繁殖するのって大変ですね、難しいですよねと人はいうけど、大変で難しいからこそ誰かはやらなければならないと思う。

そうでなかったら、明らかに特性や姿態の違った「純血種」ではなくいつしか同じ「犬」という生き物だけになって行くだろう。その犬種の特性や美しさを愛した者はある部分では罪を背負い、ある部分では道を開く。マリンやマックスの子孫たちが永久に繋がっていくことを祈って、ミッキーにお疲れさまと伝えた。


ミッキーもレインと同じように本当に頑張り屋さんだったね。病院の先生がこんなに頑張れるとは思わなかったって褒めてくれていたよ。またいつの日か生まれ変わってくるんだよ。そしてまた一緒に会えることを楽しみにしているからね。
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2011/04/13 Wed

心残り。。。

レインは病院で亡くなった。

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11日午後3時。

「レインちゃんの呼吸が止まってしまいました、人工呼吸器をつけますのですぐ来てください。」いつもレインを可愛がってくれている受付の子のあわてた声。「すぐ行きます」バックだけひっつかんで車に飛び乗った。流れる車の間を縫うようにして先に進んだ。アクセルを踏み、ブレーキをかけ、普段ならあり得ない運転だった。環七へ入る交差点で渋滞。イライラする。環七へ入るまで5分以上かかった。早く・早く・これじゃ、間に合わない…。

病院へ着いて飛び込んだ先には心臓マッサージをされているレインがいた。その姿を見て涙があふれ出す。直ぐに先生の手を止めた。「もう良いですよ先生。」連絡を受けてから約30分。戻る子はすぐに戻る。もし蘇生できたとしてもこの状態では苦しみが長引くだけだから。。。ここまで来たら完治は望めないと判ったから。。。

朝の検査結果が予想とは真逆にあまりにも良かったから安心してしまった。レインの体の状態のほうが真実なのに、検査結果に惑わされるな!が信条だったのに、また同じことを繰り返した。。。
レインみたいになることを人は急変したと言う。でも本当はそうじゃない。急変ではなくもう限界だった信号を見抜けなかっただけだ。それは診療のプロだから見抜けるのではなくて24時間そばにいてその子の状態を完璧につかんでいるものにしかわからない。。。それを見逃した私。。。


当日もその次の日に荼毘にふす時も頭の中が真っ白で、レインを触るたびに涙だけがあふれ出す。レインが逝ってしまったことを伝えるときだけ目に涙が一杯に溜まってしまうけれど、それ以外は淡々とやるべきことをこなす。レインを入れてあげるための準備をして花をいっぱい飾った。顔の周りをバラでいっぱいにして、華やかなものが似合うなぁと気高い香りに包まれたレインを撫ぜて泣いた。

そのあとは、ごく普通にいつものように時間が過ぎた。電話があれば普段通りに話ができるし、相談事もちゃんと対応できる。心臓が悪いと言われた蘭の事も目を離さずに見ていられるし、買い物も行った。昼ごはんもちゃんと食べたし、夕飯も手を抜かず作って食べた。

家族は拍子抜けしたようだ。自分でも驚きつつ淡々と時間が過ぎていく。

夕飯時にはテレビを見て笑うこともできるし、まるで何事もなかったかのようにふるまえている私。一人でレインをお寺さんに連れていけると思わなかったパパが心配して明日一緒に行こうかと会社から電話を入れてくれたがそのころにはすでに全てが終わっていた。慈恵院の中で一人でさんざん泣いた。友人に出会って、レインが亡くなった話ができるし、綺麗なお花をいただいて笑顔でお礼が言える。今までの私とは違ったように思った。

でも・・・それは大きな心残りがあるからだ。

全てが終わった今、キャンディーの時と同じようにいろいろ理由をつけて納得しようとしているけれど、この腕の中でレインを看取れなかった後悔が怒涛のように押し寄せてくる。病院で急変して助からなかったことが悔しいのではなく、同じ急変しても、我が家にいたならという後悔の念。

うちにいても一分一秒目を離さないでいられるわけはない。急変しても助けられることはない。でもたぶん病院にいるよりははるかにレインの様子を見続けていられたはずだ。。。そして彼女を不安にさせずに済んだだろう。

人工呼吸器をつけられて、心臓マッサージをされ続けているレインを見て、また同じことを繰り返してしまった大きな後悔は私の心の中から決して消えることはないだろうと思う。初めてキャンディーが同じ状態になっているのを見た時、他の犬たちには二度としないと思っていたことだった。病気の状態によって、もし蘇生できても元気な時と同じ状態には戻らないだろうと予想できたとき、その蘇生措置が罪悪に感じてしまうから。。。

管だらけになった愛犬の姿を見ることは辛い。でもいつか元気になると信じるからこそ、その手段や治療を受け入れている。そうじゃないのなら運命を受け入れるしかないと思っている。愛犬が死んでしまうのが悲しいわけじゃなく、やってあげられるはずの一番大切なことをやってあげられなかったことが悔しい。それが死によって二度とやり直しが効かないことだから。。。

気が抜けたような私のいつもとは違う体の反応は、二度としないと思ったことをしてしまった後悔からだ。

レインはきっと病院で死にたくなかったろうと思う。いくら体を楽にしてもらえても、家族がそばにいないことは辛かったと思う。いくら呼んでも大好きな人がそばにこなかったことへの落胆は、彼女が犬だからこそ大きかったのだと思う。

レインが一番望んでいたはずの事を、最後の最後に与えてやれなかった。レインの母親としてやってあげられる唯一の事が出来なかった。レインが出していた信号を受け止められなかったふがいない自分。あんなにいい子だったのに。あんなに助けてもらってきたのに。ごめんねレイン。本当にごめんね。。。
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2011/04/12 Tue

雷雨とともに…レイン天使になる。

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4月11日。東京では夕方4時過ぎに空が真っ暗になってたちまち雷雨になった。その雨の中を私は鼓動が止まったレインとともに愛車で家に向かって甲州街道を走っていた。。。

狂ったような雷の音と、あっという間の土砂降りと…まるでレインが駄々をこねて泣いているかのように思えた。後ろの席に横たわるレインに、「もう少し生きて居たかったから泣いてるの?レイン。。。」答えは返ってこない。レイン…雨。音の響きと呼びやすさと格数だけで決めたその名前のとおり、レインは雨と一緒に天使になった。


朝、病院へ向かう途中、いつもなら一言も発しないレインが何回も泣いた。家で私を呼ぶ時と同じ泣き方だったから、横に誰もいないことが不安なのかと思って手だけを後ろに回し体をさすっても泣きやまない。車に乗ったから病院なのだと判って怒っているのだろうかと癇癪を起したようになくレインをなだめていた。

病院について血液検査をする。貧血の値も標準値ぎりぎりに入ったし、血小板も大丈夫だった。肝臓の数値も一部分を除けば土曜によりも改善している。ただ、昨日ほとんど食べていないことで状態が悪い。多少の脱水もあるし血圧が低い。夕べは30分おきに起こされて私も参っていたが、一晩中苦しそうな呼吸をしていた。排便もあったし尿も大量にした。水も良く飲んだ。あとは食べてくれれば。。。さすがに息が苦しそうなので今日は入院して点滴しておこうと準備をしてもらった。食べれないことを補てんすることと傷んでいる肝臓の保護のために。

レインも具合が悪いが蘭も調子が悪く診察を受ける。ここ1週間ほど食欲が落ちていて夕べ食べた物を吐いたし、その前の日が便が緩かった。思い返せばだいぶ前からノンに比べると寒がるようになっているし動きも鈍い。蘭の代わりにこうですああですと状態を伝えた。蘭は心音の状態が悪く軽い心不全だろうとのことでレントゲンで心臓の周りに水がたまったりしてはいないか確認してもらい血検をした。臓器関係は完ぺき。多少白血球が上がっているので投薬で様子を見ることになった。抗生剤と胃の保護剤と吐き気止めと心臓の薬(血管拡張剤?)ついでにレインが帰ってきたら使うからと流動食用のカテーテルチップシリンジを2本ばかり譲ってもらった。べたべたの食べ物をこぼさずにうまく食べさせるには便利なシリンジだ。小さな子犬ならカーブチップ シリンジが使いやすいがレインならカテーテルチップシリンジのほうが便利だ。
明日にはまた少し元気になったレインを連れて帰るはずだったから。。。

病院に連れて行きながら、今日、この日にレインと別れることになるなんって考えてもいなかった。
でも今思えば虫の知らせの様なものが合ったようにも思う。冷静になって考えれば判りそうなレインからの信号を見逃したような気さえする。あれほど車の中で吠えたのは裕貴を探していたんじゃないのかとか、食べ物を全く受け付けなくなった時の悲しそうな顔は「もう無理だよお母さん」って言っていたんじゃないかとか、夕べの排便は確かにおかしな出方だったとか、水ばかりやたらに欲しがったなとか、傍から離れるとそばに戻るまであんなに吠えたっけとか・・・。

レインは私が初めて愛犬を失ったときに生まれてきた子だ。そしてちょっとした事件をきっかけにペットロスの泥沼から抜け出せなかった私を引きずり出してくれた大事な子だ。

レインvol.1

レインvol.2

まだレインの話を書き終えていないのにレインは天使になった。マリンの娘だから、マリンよりも丈夫で元気でがっちりした子だからきっと母親よりも長生きすると信じていた。倒れる前の日まで一緒に散歩していたんだよ。3日持つか1週間持つかという不安な中、がんばりぬいて退院してきてくれた。もう大丈夫かも?という気の緩みがあったかもしれない。退院してきたら自力で立って歩けなくなった。前の日まで立てていたのにね。最初のうちは支えていればたっていられたのがどんどん難しくなった。

いつの間にかマリンと同じようにベッドの上から私たちを監視して、そばにいなさいよと呼びつけるようになった。元気な時にはいつも一緒だったんだものね。どこにでもついてきたんだものね。

貧血が良くならないと一喜一憂するうちに黄疸が出始めたね。肝臓をやられてしまっているってわかったけど尋常な痩せ方じゃなかったね。退院してすぐはあんなにいっぱい食べていたのにそれでもげっそりとやせて行った。そのころかなぁ…先生が脊髄あたりに癌か何かがあるのかもしれないって言っていたよ。私はそれを聞かないふりをした。もしそうだとしてもやれることは今とさほど変わることはない。病気が何であるのかを突き詰めるには症状が重すぎた。立てないことや、急激な痩せが「癌」なのだろうと予測させていたのだと思う。

レインのためにいろいろ用意してあげてたよ。レイン、寝たきりになっていっぱい迷惑かけても心配しなくてよかったんだよ。ひと月くらいで逝ってしまうなんって、そんなに気を使わないでよ。君が生きていてくれる限りどんなことでもしてあげられたのに。。。

桜が咲いたよ、また一緒に写真撮ろうねって言ったけど、約束守れなかったね。

それだけが悔しくて、君がいないことが悲しくて、それが空に通じたかのように昨日は雷雨になってたくさんの桜の花が散ったのかな?君を天国に送る今日は朝からすごい強風が吹いている。咲き残った桜の花をすべて吹き飛ばすような勢いの風が君が煙となって空に昇ったときにはおさまった。

もっともっと生きたかったよね。もっと一緒にいたかったね。一緒のベッドで寝た21日間、君は温かかった。冷たくなっていく君に、またうちの犬になれるように生まれ変わっておいでと話したね。おかあさんがまた君の新しい一生を最後までいられるように少しでも早く生まれておいで。いつでも待っているからねレイン。

虹の橋のふもとでみんなが待っていてくれるよ。少しの間離れてしまうけどまたきっと会おうね。だからそれまでの間少しだけいい子でいてね。おやすみレイン。ありがとうレイン。。。

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2011/04/08 Fri

地震・・・

夕べ、夜11時半過ぎに東北で震度6強の地震が起きた。

東京の杉並は震度3と出たが実際は震度4くらいあったように思う。いかんせ我が家は半分が古い建物なので振動が大きいのかもしれないが。。。先月の震度5強の時の恐怖が体を震え上がらせる。長い時間揺れていたのもあるのだろうが、毎回地震の後にこうしておこうと思うことが何一つできない。持ち出すはずのリュックもバックも持つことなく、そばにいる犬だけを抱いて飛び出すしかないのかもしれない。

夜遅かったこともあって犬たちは眠っていた。電気を消していたからあわてて電気をつけて庭に続くサッシを開けに行くとついてきたのはモリーのみ。その時に初めてもしも大きな地震が来て家がつぶれるようなことがあったらレインは連れだせないのかもと身震いした。311の時はレインは病院に入院していたので危機感がなかったんだと思う。。。

ベッドに寝ているレインは大きな揺れにもかかわらず爆睡したままで、驚いて起きることもなかった。一人で立ちあがることもできないレインを助けられないのかもしれない恐怖は、食べられなくて痩せていくことと同じくらい心に大きくのしかかっている。。。
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2011/04/07 Thu

レイン、寝たきりになって…。

レインが自力で立てなくなってからもう直20日になってしまう。こんなに早く寝た切りの状態になろうとは夢にも思わなかった。排尿も排便も体を支えていなければ頭から崩れ落ちてしまう。腰が立たないのではなくて前足にも力が入らない。

食べれない日が続く。たったひと月でこんなにも肉が落ちてしまうのかと驚くほど痩せた。彼女のそばにだれもいないことが判るとマリンの時のようにか細い声で鳴いて私を呼ぶようになった。その声はマリンそっくりの声でときどきハッとさせられる。親子なんだなぁと思う瞬間だ。

火曜日はおにぎりを食べて豆腐を食べてうどんを食べてやれやれと思ったらそのあとは全く何も食べなくなった。仕方なく薬を無理やり飲ませた。薬が切れてきそうな時間(次の投薬の時間)になると元気な気がする。薬を飲んだあと少しすると呼吸も荒くなるし、死んだように寝てしまう。

水曜日はおにぎりも効果なし。パン類もダメ。豆腐・うどんもパス。缶詰系は何を開けても全く受け付けない。どうしたものかと思って朝投薬を済ませた後馬刺しを買ってきてみた。ミールは牛のレバ刺しを喜んで食べたがレインはなぜか倒れてからレバーを食べなくなった。貧血なんだから食べたほうがいいのに嫌な顔をする。そこで馬刺しにしてみたわけだ。

これも嫌だって言ったら次は何にしようかと思いながら口元にもっていくと驚くほどパクパクと食べた。50gあっという間に食べてもっと欲しそうな顔をするのでもう50g持ってきたら半分ほど食べてもういいわって突き返してきた。
レインの体だと馬肉なら250グラムくらい食べてちょうどいい量だ。75グラムでも全く食べないよりはまだましだが。。。急な生肉でおなかを壊しても困るので整腸剤を飲ませると水を飲んで寝に入った。

これで夜の投薬はうまくいくだろうとほくそ笑んでいたらあんなに目を輝かせて食べた馬刺しは結構ですと言う。期待していただけにがっかりだ。サツマイモをふかしても食べないし、レインに食べさせるのは食事の後にすることにして夕食を食べ始めたらそっちの部屋に行きたいのよと呼ぶ。長座布団を敷いて足もとに寝かせまた食べようとするといかにも食べたいのにと言いたげにか細く吠える。

あれもこれもと口元に運んでも食べない癖になんだかねと息子と話している時、ふと思いついてドッグフードを息子から口元にもっていってもらった。最初は口から出したり入れたりしていたが一粒飲み込むと次々食べる。
???っとおもうが苦笑いしながら食べられるだけ食べさせてもらった。おおよそ手のひらでひとつかみ分。FIRSTメイトのポテト&フィッシュのフードだけ選んで食べた。

おなかに入って少し落ち着いたのか、白いご飯を茶碗半分くらい食べる。調子に乗って馬刺しで薬をゴマ化されて飲んでくれた。最期の粉薬を飲ませる段になって同にも飲ませられないのでヨーグルトに混ぜてみた。いやだいやだと言うが口の中にヨーグルトごと滑り込ませたら飲み込んだ。その後チチヤスのヨーグルトをひとつ平らげた。

今朝はそううまくいくはずもなく、あれもダメこれもダメの繰り返し。結局最終手段でまたヨーグルト作戦で投薬を済ませる。色々やってみたが午前中はほとんど何も食べなかった。

夕飯時里芋と鶏肉を似たので味のついていなさそうなところを上げてみるとパクパク食べる。3センチ直径のサトイモを5個ほど食べ、鶏肉も100グラム弱くらい食べた。残念ながら昨日のようにドッグフードは食べない。
投薬はヨーグルトでごまかした。

とにかく今は何でもいいから食べてほしい。体力勝負なんだから食べないと持たない。。。
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