●蘭、椅子から落ちて…
ようやく投薬の効果が出てきて一安心していたら、立て続けに私の心臓のほうが止まりそうな事態が続けて起きた。
ひとつは病院へ向かう車の中で蘭が抱っこしてくれと言うので抱いていたら日が当たって暑そうになりハァハァしたので後ろの席に下ろしたときに起きた。
ノンも一緒に載っていたのだが、そちらに向かって歩き出したとたんばたんと倒れてけいれんの様なものが起きた。
助手席に乗っていた私だけど、ひとまたぎで後ろの席に移って蘭を抱きかかえて揺り動かした。死んじゃうのかと思って結構激しくゆすったように思う。蘭は眼を見開いて大きく息をした。。。そのまま逝ってしまうのかと思って大声で名前を呼ぶと目がキョロリと動いた。
蘭、大丈夫?大丈夫?苦しくない?
聞いたところで返事はないが、蘭は申し訳なさそうに私の顔をなめた。病院についてこの状況を話したが、心音も正常で蘭自身の様子もおかしなところはないのでお家に帰ってこれたわけだ。
そしてそのあと不幸はまだ続いていく。
父が入院し、母の話によれば明日病院の先生がご家族に来ていただきたいと言ってきたのだと言う。弟は仕事で一緒に行けないと言うし、明日なら蘭も大丈夫みたいだしファンタの子もまだすぐには生まれないだろうから付き合うよと言って実家に行きその足で病院へ行った。
実のところ、病院からの呼び出しの内容をもしかしたらかなりヤバいのかもと勝手に悪いほうに解釈してしまいブルーな気持ちだった。
腸から出血してるとかいっていたし大腸癌とかだったら切るのだろうしあの体力で耐えられるのかなとか父の穏やかな笑い顔が浮かんでは消えていく。
が・・・実際は退院してもいいよ〜、ただしこういう薬を使っていることちゃんと伝えたよ〜みたいなものだった。悪いけど、「なんだよ〜」って思った。そんなんなら無理していかなくたって大丈夫だったじゃん…て言うのは親不孝者かな?問題なしだし来週退院だし〜とちょっと浮かれて家に戻ったのは既に7時半を過ぎていた。
蘭と老犬組の様子を見て問題なしと思ったので急いで夕飯の支度をしようとしたら下の息子がご帰還。続いてパパも帰ってきた。いつもより何もかもが遅れている。早くしなくちゃって焦った。
早く支度をと台所に立つと蘭とノンが椅子に乗せてと飛んでくる。毎日やる当たり前の作業。いつものようにノンを乗せて蘭を乗せて・・・。でも・・・いつものようにじゃなかったことが一つ。
毎回、蘭とノンが落ちないように椅子と椅子をくっつけておくのに、焦って夕飯の支度を急いでいたからそれを忘れた。
元気になっていた蘭は私の背中越しに椅子と椅子の隙間から滑って落ちた。私があっと思ってふり向いたときには、それもテーブルに前足をかけようとして頭から床に落ちてぎゃ!!と悲鳴を上げたのだ。
まるでスローモーションのように蘭が落ちる姿が見えた。頭から…。
急いで抱えあげて頭をさすると蘭が歯を食いしばって体を硬直させた。前足を縮めかすかにふるえている。言葉に反応しない。抱いたまま歩くと余計に硬直がひどくなるので和室に入り腰をおろして体をさすり続けた。
「蘭、蘭、聞こえる?痛かったね。もう大丈夫だからね、もう大丈夫だよ。。。」赤ちゃんをあやすように穏やかに静かな声で蘭の耳元で何度も囁き続け背中をさすり続けた。10分もそのままだったろうか…?
裕貴が、パパが、直哉が次々と「蘭大丈夫か?」と顔を覗き込むけど反応がない。夕飯の支度を頼み私は蘭をなだめ続けた。
以前、一度頭を打ったことがあったのを思い出し、病院へ?とはやる気持ちをこらえた。もうしばらく安静のほうがいい筈。今動かしたら余計まずいはず。。。そんな経験だけを頼りにじっと蘭を抱いていた。
しばらくすると裕貴の姿を目で追うように動いたので目が見えてるか見てと頼む。裕貴が指を左右に動かすとそれを目で追っているのでそれをきっかけにまた呼びかけてみると、ようやく、「お母さん?」という顔をして私の顔をなめ始めた。
硬直していた体はいつの間にか普段の蘭の柔らかい体に戻っていた。急に体の力が抜けていくのが判る。レインが逝ってしまったばかりで蘭が体調を崩し、その上、こんな不注意で蘭に逝かれてしまったら私はもう立ち直れないよ。。。30分ほど様子を見ているとおかしな様子はなくなった。
夕飯時息子に抱かれたまま肉をもらいトマトを食べた。さすがに大量には食べさせなかったけれど薬も飲めたしその後数時間たったが普段通り動いている。
また眠れない夜になってしまうけれど、大きなダメージがありませんようにと願うのみ。もし明日になるまでに急変するようなら病院へ飛び込むしかない。
今はいつものようにパパの横で眠っている蘭。どうか大事になりませんように。。。
蘭は1メーターくらいの高さから平気で飛び降りるような骨とか関節とかが丈夫なポメラニアンだ。でも年を取った…。蘭が落ちた椅子は勝手に飛び乗って勝手に飛び降りられる高さで、よく考えてみれば落ちると危ないと思ってたのはいつもノンのほうだった。でもノンは足が悪いから椅子に載せられるとその場を動かない。
「想定外」という言葉がはやっているけれど、年を取った蘭なのだから想定しなければならなかったことだ。いくら丈夫な犬だって、予想外の事態(滑った)が起きれば自分の身が守れない状況になることがある。年を取れば若いころのように俊敏じゃなくなるのだ。そんなことにも気がつかなくて痛い思いをさせてしまった。老犬たちと暮らしているのだから、私はもっと気をつけてあげなくちゃいけない。
ごめんね、蘭。痛くしてごめんね。。。
ひとつは病院へ向かう車の中で蘭が抱っこしてくれと言うので抱いていたら日が当たって暑そうになりハァハァしたので後ろの席に下ろしたときに起きた。
ノンも一緒に載っていたのだが、そちらに向かって歩き出したとたんばたんと倒れてけいれんの様なものが起きた。
助手席に乗っていた私だけど、ひとまたぎで後ろの席に移って蘭を抱きかかえて揺り動かした。死んじゃうのかと思って結構激しくゆすったように思う。蘭は眼を見開いて大きく息をした。。。そのまま逝ってしまうのかと思って大声で名前を呼ぶと目がキョロリと動いた。
蘭、大丈夫?大丈夫?苦しくない?
聞いたところで返事はないが、蘭は申し訳なさそうに私の顔をなめた。病院についてこの状況を話したが、心音も正常で蘭自身の様子もおかしなところはないのでお家に帰ってこれたわけだ。
そしてそのあと不幸はまだ続いていく。
父が入院し、母の話によれば明日病院の先生がご家族に来ていただきたいと言ってきたのだと言う。弟は仕事で一緒に行けないと言うし、明日なら蘭も大丈夫みたいだしファンタの子もまだすぐには生まれないだろうから付き合うよと言って実家に行きその足で病院へ行った。
実のところ、病院からの呼び出しの内容をもしかしたらかなりヤバいのかもと勝手に悪いほうに解釈してしまいブルーな気持ちだった。
腸から出血してるとかいっていたし大腸癌とかだったら切るのだろうしあの体力で耐えられるのかなとか父の穏やかな笑い顔が浮かんでは消えていく。
が・・・実際は退院してもいいよ〜、ただしこういう薬を使っていることちゃんと伝えたよ〜みたいなものだった。悪いけど、「なんだよ〜」って思った。そんなんなら無理していかなくたって大丈夫だったじゃん…て言うのは親不孝者かな?問題なしだし来週退院だし〜とちょっと浮かれて家に戻ったのは既に7時半を過ぎていた。
蘭と老犬組の様子を見て問題なしと思ったので急いで夕飯の支度をしようとしたら下の息子がご帰還。続いてパパも帰ってきた。いつもより何もかもが遅れている。早くしなくちゃって焦った。
早く支度をと台所に立つと蘭とノンが椅子に乗せてと飛んでくる。毎日やる当たり前の作業。いつものようにノンを乗せて蘭を乗せて・・・。でも・・・いつものようにじゃなかったことが一つ。
毎回、蘭とノンが落ちないように椅子と椅子をくっつけておくのに、焦って夕飯の支度を急いでいたからそれを忘れた。
元気になっていた蘭は私の背中越しに椅子と椅子の隙間から滑って落ちた。私があっと思ってふり向いたときには、それもテーブルに前足をかけようとして頭から床に落ちてぎゃ!!と悲鳴を上げたのだ。
まるでスローモーションのように蘭が落ちる姿が見えた。頭から…。
急いで抱えあげて頭をさすると蘭が歯を食いしばって体を硬直させた。前足を縮めかすかにふるえている。言葉に反応しない。抱いたまま歩くと余計に硬直がひどくなるので和室に入り腰をおろして体をさすり続けた。
「蘭、蘭、聞こえる?痛かったね。もう大丈夫だからね、もう大丈夫だよ。。。」赤ちゃんをあやすように穏やかに静かな声で蘭の耳元で何度も囁き続け背中をさすり続けた。10分もそのままだったろうか…?
裕貴が、パパが、直哉が次々と「蘭大丈夫か?」と顔を覗き込むけど反応がない。夕飯の支度を頼み私は蘭をなだめ続けた。
以前、一度頭を打ったことがあったのを思い出し、病院へ?とはやる気持ちをこらえた。もうしばらく安静のほうがいい筈。今動かしたら余計まずいはず。。。そんな経験だけを頼りにじっと蘭を抱いていた。
しばらくすると裕貴の姿を目で追うように動いたので目が見えてるか見てと頼む。裕貴が指を左右に動かすとそれを目で追っているのでそれをきっかけにまた呼びかけてみると、ようやく、「お母さん?」という顔をして私の顔をなめ始めた。
硬直していた体はいつの間にか普段の蘭の柔らかい体に戻っていた。急に体の力が抜けていくのが判る。レインが逝ってしまったばかりで蘭が体調を崩し、その上、こんな不注意で蘭に逝かれてしまったら私はもう立ち直れないよ。。。30分ほど様子を見ているとおかしな様子はなくなった。
夕飯時息子に抱かれたまま肉をもらいトマトを食べた。さすがに大量には食べさせなかったけれど薬も飲めたしその後数時間たったが普段通り動いている。
また眠れない夜になってしまうけれど、大きなダメージがありませんようにと願うのみ。もし明日になるまでに急変するようなら病院へ飛び込むしかない。
今はいつものようにパパの横で眠っている蘭。どうか大事になりませんように。。。
蘭は1メーターくらいの高さから平気で飛び降りるような骨とか関節とかが丈夫なポメラニアンだ。でも年を取った…。蘭が落ちた椅子は勝手に飛び乗って勝手に飛び降りられる高さで、よく考えてみれば落ちると危ないと思ってたのはいつもノンのほうだった。でもノンは足が悪いから椅子に載せられるとその場を動かない。
「想定外」という言葉がはやっているけれど、年を取った蘭なのだから想定しなければならなかったことだ。いくら丈夫な犬だって、予想外の事態(滑った)が起きれば自分の身が守れない状況になることがある。年を取れば若いころのように俊敏じゃなくなるのだ。そんなことにも気がつかなくて痛い思いをさせてしまった。老犬たちと暮らしているのだから、私はもっと気をつけてあげなくちゃいけない。
ごめんね、蘭。痛くしてごめんね。。。