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2006/11/19 Sun

バイバイ、スズ。

スズの寝ている箱の中を覗き込み飾り立てた花を直し、冷たくて硬くなってしまった顔を何回も撫ぜて慈恵院というお寺さんへ行く。

愛ちゃんの時はキャンプに行った場所での事故だったから栃木県で荼毘に付した。
その次はヒカル。たった二ヶ月のちいさな亡骸はその当時に深大寺しか場所を知らなかったのでパパと二人で荼毘に付した。

キャンディーを亡くしたとき、初めて慈恵院を知り、荼毘に付した後人間の様とは行かないがきちんとお経を上げてもらえた事がなぜか心が救われた気がして、これからはココでと思っていた場所だ。

キャンディーを亡くしたときのことは家族にはとても大きな衝撃だったはずなのに今日何を勘違いしたのかパパは深大寺に向かって車を走らせている。

途中で行く場所はこんなところじゃないのにと文句を言うとキャンディーのときはココだったと言い張る。

たったそれだけの間違いが悲しくて涙が溢れ出した。

一緒に車に乗った息子たちには道筋はわからないし、みんなで一緒に行ったじゃないのと余計に何もいえなくなった。

ナビを直して慈恵院に着くとNAOYAがキャンディーのときはここだったヨと言ってくれた。
パパは無言だったけど間違いには気が着いたようだった。

受け付けを済ませて順番を待つ間に突然裕貴が『昨日母さんが下の部屋にいたとき一回だけ立てたのになぁ・・・』と突然話し出す。

その言葉は今まで押し殺していた何かに突然火がついてしまい、もう泣かないでいなくちゃと思った心を壊した。

立てたの?そんなことありえない。あんな状態で立てたって言うの?

聞きたい事は一杯あったのに言葉になってこない。

最後のお別れをしてスズが灰になってしまうときには、今まで別れた子たちとは違う想いが突き上げてきて涙が止められなくなった。

『バイバイ、スズ・・・また会える日までね』と送り出そうと思った気持ちは自分のこの手であの子の命をとめたという事実がまだ早すぎたんじゃないかって言う後悔の念でいっぱいになり「ごめんね、ごめんね。。。』という謝罪しか出てこない。

お経を上げてもらった後「しばらくお待ちください」といわれ待合室の方に戻るときにはもう止められなくなった後悔が噴出してしまって嗚咽をあげて泣きじゃくる。

そのまま車に戻ってひとしきり泣き喚いた後、みんなのいる場所に戻った。
途中に裕貴が肩を抱いていてくれた気もするが良く覚えてはいない・・・

パパはこんなとき少し離れている。
傍にいてくれるのは裕貴。優しいんだなって感謝しなくちゃならないのに、口をついて出た言葉は怒りの言葉になっていて・・・

本当は「間違いじゃなかったよね?」と聞きたかったのに、「誰も間違ってないって言ってくれない」と又泣き始めた。

「スズがさ立てたって言ったけど、ウッドデッキの隙間に偶々頭がはまっちゃって倒れられなかったんだよ・・・でも寝たままもがくよりはいいかなって思ったからそのままにさせたんだけどしばらくして又痙攣が起きてその後は母さんが見たままだったよ・・・」

真実はわからない・・・私の見ていなかった時間は数時間あったからその間に少しは立て直せる時間があったのかもしれない。

ありえないことなのに、もしかしたら少しは何かがわかるようになったかもしれないとか、本当はがんばったらもう少し生きたかったんじゃないかとか、何か食べたかったんじゃないかとか飲みたかったんじゃないかとか想いばかりが駆け巡っていく。

もう何も口にも入らない状態だったのに、今になるともう少し時間が立っていたら飲めるようになったんじゃないだろうかとか、食べようという意思が又出てきたのかもしれないとか、苦しがってもがいていたスズの姿よりも、やってやれなかったことへの後悔の方が大きくなっていく。

「スズの苦しみをとめてやったことは間違いじゃないと思うよ」

「間違ってなんかいないよ。みんなとめてやりたかったんだから・・・」

次々とNAOYAが、裕貴が言ってくれる言葉は余計に自分の中の後悔を増大させていく。

「本当にソウ思ってなんかいないんじゃないか?」「まだがんばれるのにと思ってたんじゃないか?」「スズは死にたくなかったんじゃないか?」「だって私がスズを殺したのはもう変えられない事実なんだから・・・』

そんなことを訴えられたって答えなんか帰せるはずもないのに、黙ってしまう彼らにしかぶつけられない怒りにも似た感情だけが突き上げてくる。

泣き止んでは又泣き始め、スズは灰になってくというのに何をやっているんだろう・・・

家族への疑心暗鬼・・・誰も私がどんなに辛いのかわからない・・・疑いの気持ちでいっぱいになっていた。。。。。



お坊さんに呼ばれて灰になったスズを迎えに行く。

背骨や足の骨や骨盤がしっかりした形に残ったのに頭の骨は粉々になって顎と歯しか残らなかった。

私の手に大きな傷を残したあの大きな犬歯だけが妙にコロンと転がっていた。

ひとつづつ拾い上げながらまた嗚咽がこみ上げてくる。裕貴と一緒にひとつ骨を拾いあげた。。。

今までどの仔にもそんなことはなかった思いがこみ上げてくる。もう会えないという感傷的な思いではない悲しみだった。

全て拾い上げて別室でお経を上げてもらった。泣いているせいか心臓が苦しくて肩がすごく重かった。

お坊さんがお経を上げ始め焼香をしに行く。
お経の意味はわからない。なぜかそのお経は「ネンネシナネ、ネンネシナネ」と聞こえ、まるで子守唄のように聞こえてくる。


すると不思議なことに体の中からすぅ〜っと何かがでて行くような気がした。
どす黒く渦巻いていた何かが洗われて行く様な変な気持ちだった。

涙が止まり苦しかった心臓が楽になっていく。
さっきまで憎らしかった家族が優しく見ているのが解るようになった。

さっきまでのあれはなんだったんだろうと思うほどに・・・

きっとスズが許してくれたんだなって、なんとなくソウ感じた。
お坊さんにこのあとはどうされますかと聞かれつれて帰りますと答えると抱いたスズの骨壷がちょっとだけ重くなった気がした。

帰り道にほかの子ってみんな綺麗なカバーをかけていた気がするんだけどなと思ってスズに似合いそうなピンクのカバーを買ってかぶせてもらう。

不思議なことにあれほどいらいらしていた心ではなくなって「スズはやっぱりピンクだね・・・」と息子たちを振り返る事ができた。

スズは今うちに帰ってきた。
愛ちゃんやヒカルやキャンディーと一緒に私の元に一緒にずっといる。。。
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